マルク・ソワイヤール ブルゴーニュ ブラン 2021 / Marc Soyard Bourgogne Blanc 2021
「張り詰めた透明感と石灰の緊張感が息づく、静かなブルゴーニュ·ブラン」
マルク・ソワイヤールは、ブルゴーニュにおいて「余計なものを削ぎ落とす」ことを突き詰める造り手です。
彼のブルゴーニュ・ブランは、華やかさや分かりやすい果実味で魅せるワインではありません。
むしろ、畑と石灰質土壌のニュアンス、ブドウ本来の張りと輪郭を、極めて静かなトーンで映し出します。
2021年ヴィンテージは冷涼で緊張感のある年。
その特徴を正直に映したこのワインは、白い果実の控えめな香りに、柑橘の皮や湿った石灰岩を思わせるニュアンスが重なります。
樽はあくまで背景にとどまり、味わいの中心にあるのは「澄んだ酸」と「ミネラルの芯」。
飲み進めるほどに、派手さとは異なる深みと完成度が感じられ、
日常の延長線にありながら、自然と背筋が伸びるような一本です。
“静かな説得力”という言葉がふさわしい、マルク・ソワイヤールの美学が凝縮されたブルゴーニュ・ブランです。
【テイスティングコメント】
2021年は春の霜害、低温、降雨量の多さによる病害の発生等でブルゴーニュは歴史的な低収量の年と記録されている。マルク・ソワイヤールのドメーヌ ド・ラ・クラの畑も例外なく霜害に襲われて大きな被害を受けた。そのためドメーヌ ド・ラ・クラでは主要キュヴェの2021年ヴィンテージの生産を行うことが出来なかった。そんな中、困難な状況を生き抜いた希少なブドウをドメーヌの畑全体から集めて集めて造られたのがこのブルゴーニュブラン2021年。通常、12~18ヶ月の樽熟成期間を24ヶ月まで伸ばし、長期熟成により果実味よりもブドウの持つ本質的な部分を表現した、クラシック・スタイルの見事なブルゴーニュ ブランが完成した。
生産地:ブルゴーニュ
葡萄品種:シャルドネ100%
醸造:ドメーヌの全所有畑から生き残った僅かな量のシャルドネを畑で厳重に選果を行い、セラーに運ばれて搾汁、新樽率50%のピエス(228L)で自生酵母にて発酵・マロラクティック発酵が行われる。2021年は通常より長期の樽熟成が必要と判断され24ヶ月間の樽熟成を実施。無清澄、無濾過でボトリング。ボトリング時に僅かなSO2を添加、このワインの場合のトータルSO2量は20mg/L未満で自然発生のSO2の量でしかない。
スタイル:白・辛口
【生産者について】
マルク・ソワイヤールは、ブルゴーニュを代表する自然派生産者の一人であり、名門ドメーヌでの経験を経て自身のワイン造りを確立しました。
彼は畑仕事を最重要視し、化学肥料や除草剤を使用せず、土壌の生命力を最大限に引き出す栽培を行っています。
醸造においても介入は最小限。
天然酵母による発酵、過度な清澄やろ過を避け、ワインが自然に落ち着くのを待つ姿勢を貫いています。
樽使いは極めて慎重で、新樽比率は控えめ。ブドウと土地の個性を覆い隠さないことを重視しています。
彼のワインは、いわゆる“ナチュラルワイン的な個性”を前面に出すものではなく、
あくまでブルゴーニュらしい均整と緊張感を、自然な造りの中で表現するスタイル。
そのため、ナチュラルワイン愛好家だけでなく、クラシックなブルゴーニュを好む層からも高い評価を得ています。
(インポーター資料)
