ドメーヌ モロ・ノーデ シャブリ 2022 /Moreau Naudet Chablis 2022
引き締まった印象、香りの快活さ、透明感、複雑な味わいの層、といったシャブリに求めるほぼ全てを備えた仕上がり。ジューシーな果実味とフレッシュなミネラル、美しい酸、そしてテロワールが感じられる1本です。
生産地:ブルゴーニュ
品種:シャルドネ100%
味わい:白·辛口
村名シャブリはレ・ボーモンのリューディーの3つの区画から造られます。野生酵母で発酵後、シュール・リーの状態でタンクで15カ月~18カ月と長く熟成を行います。
【生産者について】
●詳細·歴史
今フランスでシャブリのニュージネレーション御三家として圧 倒的な評価を受けているのが、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ム ールとパトリック・ピウズ、そして、このモロー・ノーデ。2004 年に家業のドメーヌを継承した Stephane Moreau Naudet / ステファン·モロー·ノーデ氏は、ブルゴーニュの 白ワインの一流生産者に求められる、秀でたテロワールに 植えられた古木の継承を始めとした全ての資質を持ち合 わせている。ワインは収量の低い、熟した果実から生まれ、一般的なシャブリにある硬い柑橘系の酸の強さが、ジューシーでセクシーな果実味が混じり合った非常に濃密な生き生きとしたミネラル感に取って代わっている。この個性は最上の芸術的なブルゴーニュの生産者の全てに見出すことができる。
今や Burghound.com を筆頭に、Les Meilleurs Vins de France、ミッシェル·ベタンヌの La Revue du Vin de France などから大きな注文を集めている他、若手でありながらパリの三ッ星、二ッ星レストランはもちろん、デンマークにある世界一のレストラン「ノーマ」にもオンリストされている。そもそも、ディディエ・ダグノーがワインラベルのデザインを手助けしたことから、ダグノーがこのドメーヌに託した機体の大きさが容易に理解できる。
●畑
ワインの品質は、ステファン氏がドメーヌの責任者となってから急上昇。 フランソワ·ラヴノー、ヴァンサン・ドーヴィサ、デイディ・ダグノーの熱烈な信奉者 であるステファンは、畑で酷烈な仕事をし、造り得る最上の果実を育むべく、 全てのブドウ木を手作業で栽培し、手摘みで収穫している。真に特徴的で 並外れたシャブリを生み出すために、ワインが産業化される以前の栽培方法 を再導入し、ドメーヌに変革をもたらした。それは、幾つかのテロワールを共有 するヴァンサン・ドーヴィサの影響を強く受けた手法で、畑の耕耘、有機栽培、 手摘み収穫と可能な限り自然な方法を畑でも実践。これは、コート・ド・ボーヌのトップ生産者にも通じる方法であり、この時代に影響されない古風な手法と努力により、シャブリが痩せてつまらないものではないと気づかせてくれる以上に、シャブリが最高のコート・ド ールの白ワインに比肩する質感と魅力を持ち合わせていることを証明してくれている。手作業で管理された畑から熟したバランスの良い果実を収穫し、はっきりとしたミネラルの中軸がバランスを取る、深みのある純粋な果実味と自然な質感、複雑さ、凝縮感を兼ね 備えた見事なまでの独特なシャブリを生み出す。
現在の栽培面積は 22 ヘクタールで、特級のヴァルミュール、一級のモンテ・ド・トネ ール(シャプロ)、ラ·フォレ、モンマン、ヴァイヨン、村名シャブリ、プティ・シャブリに分かれている。平均樹齢は 35 年から 50 年。村 名シャブリに 13.5 ヘクタールの畑を所有しているが、その内の 1 ヘクタールは、多くのプルミエ・クリュよりも質感と深みを有し、ヴァイヨ ンやモンマンと同じ日当たりのレ・パルグに位置している。この畑の平均樹齢は 50 年で単独のキュヴェとして瓶詰。左岸では、魅惑的な果実味と質感の良い濃さがあるプルミエ・クリュのモンマン、そして、煌めく岩の芸術としてドーヴィサが有名にしたリューディ・ラ・フ ォレ(ドーヴィサに隣り合わせる)、そして畑の輝かしい反映とされる洗練された金属的な印象を持つヴァイヨンに畑を所有。右岸で は、ラヴノーの地盤で最も火打石が強いキュヴェとなるモンテ・ド・トネール(ラヴノーの区画に隣接するシャプロ)に区画を所有。グ ラン·クリュでは、荘厳な絹のような質感を有するヴァルミュールも所有。
●醸造
機械収穫が主流のシャブリでは非常に珍しく、ドメーヌではプティ・シャブリ、村名シャブリを含め一級、特級に至るまで全ての区画を手摘みで収穫を行っている。ブドウは完熟を待って収穫し、その場ですぐに選果。醸造所に運んだブドウは全粒で圧搾される。圧搾は、空気圧圧搾機で、ゆっくりと時間をかけて(3 時間半)圧搾され、その後、10~12 時間かけて前清澄を施す。アルコール発酵は野生酵母のみで自然に行われる。この点も培養酵母の使用が多いシャブリでは極めて珍しい。
*全粒圧搾:除梗をしてから破砕をせずに行う圧搾方法。一般的にシャブリやコート・ドールの白ワインではダイレクト・プレス(除梗も破砕もせずに直接房を丸ごと圧搾)が多い。しかし、この場合、注意深くプレスをしないと梗からの渋みや青臭さが果汁に混入してしまう。それを避けるために除梗を行う全粒圧搾を導入している。梗がないことによって、ゆっくりと時間を掛けた圧搾も可能になっている。
プティ・シャブリと村名シャブリ、レ・パルグのキュヴェは温度管理機能付きのタンクで発酵。シャブリ・カラクテールのキュヴェ とプルミエ・クリュとグラン・クリュのワインは全て、1/3 が樽、2/3 がタンクで発酵が行われる。樽はバリック(228 リットル)と 600 リッ トルの大樽を、キュヴェや収穫量に応じて併用。アルコール発酵も 3 ヶ月近くをかけてゆっくりと行う。マロラクティック発酵は自然にス タート。熟成は、発酵と同じ容器を用いてシュール・リーの状態で行う。熟成期間はプティ・シャブリと村名シャブリが 18 ヶ月。一級と 特級は 24 ヶ月という長期間の熟成。熟成期間に澱引きを 1 回行い、同時にワインを空気に触れさせる。瓶詰め前に各ロットをアッサンブラ-ジュして、自然清澄。その後、無濾過、もしくは珪藻土で軽く濾過を行って瓶詰め。ドメーヌの大きな特色は完熟を待って手摘みで収穫することとシャブリとしては長期間の熟成、そして、 野生酵母のみでの醸造。このため、ワインは若いうちは峻厳さが感じられますが、時間を置くことによ って、シャブリのテロワールとミネラル感が明確に現れる。
(インポーター資料)

