シャンパーニュユベール・ノワレトロワサンボール2013 / Hubert Noiret Trois Symboles2013

「世代を継ぐシャンパーニュ、トロワ·サンボールが奏でる熟成の余韻」

フランス・シャンパーニュ地方、コトー・デュ・プティ・モラン地区のヴィルヴナール村。そこに古くから続く葡萄畑と、変わらぬ自然への敬意を胸に歩む生産者、Hubert Noiret。彼らの８世代にわたるワイン造りの歴史の中で、最新の技術と伝統がひとつに溶け合ったキュヴェがこの「トロワ・サンボール 2013」です。

2013年という年、シャルドネ100％で造られたこのミレジメは、大地のミネラルと、熟成を経た深みの香りがひらきます。「トロワ・サンボール（Trois Symboles）2013」は、その名の通り、家族・土地・自然という3つのシンボルを込めた特別なミレジメ・キュヴェ。すべて手摘みで収穫されたシャルドネ100％（ブラン・ド・ブラン）を、木樽と瓶内でじっくりと熟成。

10年以上の時を経て、ようやく花開くエレガンスがここにあります。淡い金色の泡立ちの中に、青リンゴや白桃の香り、ブリオッシュ、バターを想わせる面立ち。木樽熟成が織りなすほのかなヴァニラのニュアンス、そして余韻に残るチョークのような塩味。

ラベルを開けた瞬間から「普段の食卓に少しの非日常」をもたらすこの一本。ホームパーティーでも、ちょっと特別な夜にも。軽やかに、しかし丁寧に。気取らず楽しめるけれど、その奥には確かな造り手の矜持とヴィンテージの時間が宿っています。

【テイスティング】

グラスに注ぐと、繊細できめ細やかな泡が静かに立ち上り、淡い黄金色の輝きがゆらめきます。

香りには、白い花や熟したリンゴ、レモンピールや焼きたてのブリオッシュ、ヘーゼルナッツや蜂蜜のニュアンスが優しく折り重なり、熟成の豊かさとフレッシュさが見事に共存しています。
口に含むと、きめ細やかな泡が舌の上で優しく弾け、果実味・酸・ミネラルの三重奏。
熟成由来のトースト香が奥行きを与えつつ、後味にはチョーキーなミネラル感と塩味の余韻が続きます。フィニッシュは非常にクリーンで、時間とともにアーモンドやヴァニラの香りが静かに広がる――
まさに穏やかに熟成したブラン・ド・ブランの理想形と呼べる味わいです。

【おすすめのペアリング】

・鯛の昆布〆／山葵添え
　→ シャルドネの繊細な果実味と塩昆布の旨味が共鳴し、泡が舌をリフレッシュしてくれます。

・鶏ささみと春菊のお浸し＋レモンとオリーブオイル
　→ 軽やかな鶏ささみの食感に、春菊のほろ苦さ。レモンの酸味とオリーブオイルのコクが、ワインの熟成香と絶妙にリンク。

・白身魚のポワレ バターソース／レモン添え
　→ バターの風味がシャルドネの熟成感を引き立て、レモンの爽やかさが全体を軽やかにまとめます。

・和風カルボナーラ（ベーコン少なめ・パルメザン＆黒胡椒仕立て）
　→ クリーミーなソースと泡の炭酸が好相性。黒胡椒のアクセントがワインの余韻を引き締めてくれます。

・リコッタチーズと蜂蜜、ナッツのカナッペ
　→ リコッタの優しい甘みと蜂蜜の香りが、ワインの熟成からくるバターやブリオッシュ香と調和。ナッツがミネラル感を支えます。

産地：フランス /シャンパーニュ Coteaux du Petit Morin
ブドウ品種：シャルドネ100%

スタイル：エクストラブリュット

ドザージュ：5g/l

【区画】Les Bacons (Villevenard) 【斜面】南向き【植樹年】1969年、1984年【土壌】表土：黒い火打ち石が見られる粘土質石灰土壌、底土：白亜質

栽培・醸造：ビオディナミ農法による栽培。手摘みで収穫後、伝統的な方法で圧搾。 300Lの樽で澱とともに10～12ヶ月の熟成。ドサージュ5g/L。

【生産量】1750本

【特徴】ドメーヌの哲学を体現する1本。シャルドネの持つ繊細さとフレッシュさとともに、絶妙で心地よい樽の風味を感じられる。

【生産者について】
地域：フランス・シャンパーニュ地方、コート・デ・ブランとコート・ド・セザンヌの間に位置するVillevenard（コトー・デュ・プティ・モラン／Coteaux du Petit Morin）に拠点を置くワイナリー。

▶︎ 生産面積：畑面積はおよそ9 ヘクタール未満で、小規模ながら丁寧に栽培されています。
▶︎ 歴史：18世紀中頃に起源を持つブドウ栽培家系が、8世代にわたって続いてきた。2003年にナタリー・ユベール（Nathalie Hubert‑Noiret）とジャン-ミシェル・ノワレ（Jean‑Michel Noiret）が「Champagne Hubert Noiret」としてブランドを立ち上げました。

▶︎ 栽培・醸造哲学：2011年以降、全区画においてビオディナミ（有機＋生物動態農法）を段階的に導入。土壌の力を最大限に引き出し、化学的介入を極力控える栽培にこだわっています。

▶︎ テロワール重視：プティ・モラン地区の“黒い火打ち石（黒シレックス）を含む粘土石灰土壌”など、地質が多様であることを強調し、その個性をシャンパーニュに反映させることを目指しています。

主な特徴・強み

・独立栽培家（グロワー）ならではの少量生産で、畑・収穫・醸造・熟成の各段階に丁寧さが光ります。

・樹齢の高い区画（例：1960〜80年代に植樹されたシャルドネやムニエ）を活かし、熟成ポテンシャル・テロワールの深みを感じるキュヴェが多いです。
・醸造・熟成においても、自社ブランド化以降に「木樽熟成」「自然酵母」「低めのドサージュ／エクストラ・ブリュット」など、モダンながら伝統を尊重する設計が見られます。

注目するヴィンテージ・キュヴェ

・「Cuvée des 3 Symboles」／2013年：シャルドネ100 %、単一区画「Les Bacons」から。黒シレックス含む土壌で育ち、10〜12ヶ月の樽熟成後、塩味・ミネラル性に富む仕上がり。
・「Pièce des Aulnes」：ピノ・ムニエ100 %単一区画、南向き、余韻に塩気ある酸を備える味わい。