ロウシーン・カーリー ラドワ ルージュ 2023 / Róisín Curley Ladoix Rouge 2023
赤い果実の透明感と繊細なタンニン、静かなミネラルが重なるエレガントなラドワ。
■ 詳細
生産者: ロウシーン・カーリー
産地: フランス・ブルゴーニュ地方/コート・ド・ボーヌ/ラドワ・セリニー
品種: ピノ・ノワール100%
タイプ: 赤・辛口
醸造: リウ・ディ「レ・イサール」の南向き斜面上部に位置する0.21haの区画。平均樹齢45年のVV。100%除梗し、ステンレスタンクでアルコール発酵後、228Lの樽でマロラクティック発酵と12ヶ月間の熟成。新樽は使用せず、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。
■ 味わい
ラズベリーや赤いチェリー、野イチゴを思わせる瑞々しい果実の香りに、スミレやほのかなスパイス、土や石を思わせるニュアンス。
口当たりは滑らかで、果実味はピュア。南向き斜面からもたらされる熟度を感じさせながら、重たさはなく、きれいな酸が味わいを引き締めます。
タンニンは細やかで、果実の中に溶け込むよう。樽由来の香ばしさを前面に出さず、赤い果実の透明感とミネラルのニュアンスが静かに広がります。
余韻にはほのかな土やスパイス、塩味を思わせるニュアンスが残り、エレガントで端正、それでいて芯のあるラドワに仕上がっています。
■ このワインの魅力
このワインの魅力は、ラドワというアペラシオンの持つ果実の豊かさを、ロウシーン・カーリーらしいクリーンで繊細なスタイルで表現していること。
リウ・ディ「レ・イサール」の南向き斜面上部、わずか0.21haの区画。平均樹齢45年の古樹から生まれるため、赤い果実の充実感だけでなく、味わいに奥行きがあります。
一方で、100%除梗、新樽を使わない228L樽での12ヶ月熟成、無清澄・ノンフィルターという造りは、果実そのものの質感を覆い隠さないためのアプローチ。
華やかな樽香や力強さで押すのではなく、果実の透明感、酸、細やかなタンニン、土壌を思わせるニュアンスが静かに重なっていくところに、このワインならではの美しさがあります。
■ ペアリング
鴨のロースト、鶏肉のコンフィ、豚肩肉のロースト、きのこのソテー、牛肉の赤ワイン煮、焼き野菜、熟成したコンテ
■ 生産者について
ロウシーン・カーリーは、アイルランド出身の醸造家。もともとは母国で薬剤師として働いていましたが、ワインへの強い興味から進路を転換。フランスのモンペリエ大学とドイツのガイゼンハイム大学で、栽培と醸造の修士号を取得しました。
その後、ボルドーの名門シャトー・ラトゥール、ローヌのシャトー・グリエで実際のワイン造りを経験。こうした経験を経て、2015年にブルゴーニュのボーヌで自身のマイクロネゴシアンを設立しました。
彼女が特徴的なのは、単に「自然なワイン」を目指すのではなく、畑とヴィンテージを自分自身の感覚で読み取り、その個性をできる限り純粋に表現しようとしていること。契約する栽培家には厳格なリュット・レゾネ、ビオロジック、ビオディナミなどの栽培を求め、マス選抜を行う生産者からブドウを購入しています。醸造では非常に厳格な選果を行い、天然酵母のみで発酵。キュヴェごとに除梗率も変え、決められたレシピではなく、ブドウとワインの状態を見ながら介入を抑えています。
さらに、彼女は2020年に**マスター・オブ・ワイン(MW)**の資格を取得。これはワインの知識だけでなく、栽培・醸造・商業・地域文化まで幅広い専門性が求められる非常に難関な資格です。自身でも「もっとワインを知り、より深く理解したい」という探究心を語っており、学び続ける姿勢そのものが彼女のワイン造りの核となっています。
また、格付けに対する考え方も明確です。彼女はアペラシオンや畑の格付けに関係なく、すべてのワインをグラン・クリュと同じ注意深さと愛情で造ることを大切にしています。実際、ラドワのような比較的知名度の高くないアペラシオンにも可能性を見出し、その土地ならではの表現を追求しています。
その姿勢は、ラドワ・ルージュにもはっきりと表れています。古樹のブドウを使いながらも、新樽の風味でワインを飾ることはせず、果実、酸、タンニン、土壌のニュアンスを丁寧に重ねる。知性と感性の両方からブルゴーニュを見つめる、ロウシーン・カーリーの個性が感じられる一本です。
■ ショップからのメッセージ
シャンパーニュとフランス白ワインを中心にセレクトしている当店ですが、そんな中でも、ずっと大切にご紹介している数少ない赤ワインがあります。
ブルゴーニュ・ボーヌを拠点にワインを造る
Róisín Curley(ロウシーン・カーリー)。
マスター・オブ・ワインでありながら、自ら小さな醸造所でワイン造りを行う彼女。
決められたレシピにワインを当てはめるのではなく、葡萄や果汁の変化を見ながらできる限り介入を抑え、その畑、その年が持つものを丁寧にワインへと導いていきます。
彼女のワインに惹かれるのは、
ブルゴーニュらしい繊細さや透明感の中に、きちんと芯があること。
華やかさを競うのではなく、
飲むほどにその精度や奥行きが見えてくる。
白ワインを中心に扱う私たちが、
それでも赤ワインとしてぜひご紹介したいと思う、大好きな造り手のひとりです。
