ロウシーン・カーリー ボーヌ レ・プレヴォル ルージュ 2023 / Róisín Curley Beaune Les Prévoles Rouge 2023
古樹の凝縮感と赤い果実の透明感、細やかなタンニンが調和する優美なボーヌ。
■ 詳細
生産者: ロウシーン・カーリー
産地: フランス・ブルゴーニュ地方/コート・ド・ボーヌ/ボーヌ
品種: ピノ・ノワール100%
タイプ: 赤・辛口
醸造: 南東向き斜面上部の0.24haの区画。粘土石灰質土壌、平均樹齢70年のVV。70%除梗し、開放型ステンレスタンクでアルコール発酵。228Lの樽でマロラクティック発酵後、11ヶ月間熟成。新樽比率15%。無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。
■ 味わい
ラズベリーや赤いチェリー、野イチゴなどの赤系果実に、スミレやドライハーブ、ほのかなスパイスのニュアンス。古樹らしい果実の密度を感じさせながらも、香りにはどこか涼やかな透明感があります。
口当たりは滑らかで、果実味にはしっかりとした芯がありながら、重たくなりすぎない軽やかさ。きれいな酸が味わいを引き締め、細やかなタンニンが果実に寄り添うように広がります。
余韻には土やスパイス、ほのかな塩味を思わせるニュアンスが残り、古樹由来の奥行きと、ピノ・ノワールらしい繊細さが美しく重なった味わいです。
■ このワインの魅力
このワインの魅力は、70年という古樹がもたらす味わいの深さと、ボーヌらしいエレガントな果実感を両立していること。
南東向き斜面上部に位置する粘土石灰質土壌の0.24haという小さな区画。平均樹齢70年のVVから生まれるため、赤い果実の瑞々しさだけでなく、口中にはしっかりとした密度と奥行きがあります。
醸造では70%を除梗し、開放型ステンレスタンクで発酵。その後228Lの樽で11ヶ月熟成しています。新樽は15%に抑えられているため、樽の風味を前面に出すというより、果実とタンニンの質感を整える役割として感じられます。無清澄・ノンフィルターで仕上げていることも、このワインの繊細な表情を活かすアプローチです。
ラドワが「赤い果実の透明感と涼やかなミネラル」を感じさせるのに対して、《レ・プレヴォル》はより古樹由来の密度と、ボーヌらしいしなやかな奥行きが魅力。
華やかさだけでも、力強さだけでもない。果実のピュアさを保ちながら、熟成による複雑さも期待できる、ロウシーン・カーリーのボーヌです。
■ ペアリング
鴨のロースト、仔羊のグリル、豚肩肉のロースト、鶏肉のコンフィ、きのこのソテー、根菜のロースト、牛肉の赤ワイン煮、熟成したコンテ
■ 生産者について
ロウシーン・カーリーは、アイルランド出身の醸造家。母国で薬剤師として働いた後、ワインへの興味をきっかけに進路を転換し、フランスのモンペリエ大学とドイツのガイゼンハイム大学で栽培・醸造を学びました。その後、ボルドーのシャトー・ラトゥール、ローヌのシャトー・グリエで経験を積み、2015年にブルゴーニュのボーヌで自身のマイクロネゴシアンを設立しています。
彼女のワイン造りで特徴的なのは、アペラシオンの格付けや知名度よりも、自分自身がその土地とワインに感じる可能性を大切にしていること。厳格なリュット・レゾネ、ビオロジック、ビオディナミを実践し、マス選抜を行う栽培家からブドウを購入しています。醸造では非常に厳しい選果を行い、天然酵母のみで発酵。さらに、すべてのキュヴェに同じ醸造レシピを当てはめるのではなく、ブドウやヴィンテージの状態に応じて除梗率などを変えています。
その姿勢を象徴するのが、彼女自身が語る「アペラシオンや畑の格付けに関係なく、すべてのワインをグラン・クリュと同じ注意深さと愛情を持って醸造する」という考え方。2015年の創業時からボーヌとサン・ロマンを選び、特に自身が飲み手として愛してきたアペラシオンの可能性を追求してきました。
さらに2020年にはマスター・オブ・ワイン(MW)の資格を取得。単に技術を身につけるだけではなく、「もっとワインを知り、より深く理解したい」という探究心を持ち続けていることも、彼女のワイン造りを特徴づけています。
《レ・プレヴォル》は、そんな彼女がボーヌという土地に向き合った一本。70年の古樹から得られる密度を持ちながら、過度な抽出や樽の存在感に頼らず、果実、酸、タンニン、土壌のニュアンスを調和させることで、古樹の奥行きをエレガントに表現しています。
■ ショップからのメッセージ
シャンパーニュとフランス白ワインを中心にセレクトしている当店ですが、そんな中でも、ずっと大切にご紹介している数少ない赤ワインがあります。
ブルゴーニュ・ボーヌを拠点にワインを造るRóisín Curley(ロウシーン・カーリー)。
マスター・オブ・ワインでありながら、自ら小さな醸造所でワイン造りを行う彼女。
決められたレシピにワインを当てはめるのではなく、葡萄や果汁の変化を見ながらできる限り介入を抑え、その畑、その年が持つものを丁寧にワインへと導いていきます。
彼女のワインに惹かれるのは、
ブルゴーニュらしい繊細さや透明感の中に、きちんと芯があること。
華やかさを競うのではなく、
飲むほどにその精度や奥行きが見えてくる。
白ワインを中心に扱う私たちが、
それでも赤ワインとしてぜひご紹介したいと思う、大好きな造り手のひとりです。
