フランソワ・クロシェ サンセール 2024 / François Crochet Sancerre 2024
異なる土壌を束ねて描く、緻密でエレガントなサンセール。
■詳細
産地:ロワール/サンセール/ビュエ
格付け:A.O.C. Sancerre
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
タイプ:白・辛口
土壌:カイヨット約80%、粘土石灰質約10%、シレックス約10%
平均樹齢:約25年
栽培:オーガニック、ビオディナミ
収穫:手摘み
醸造:全房圧搾、静置によるデブルバージュ、3〜4週間の発酵
熟成:澱の上で約6か月
アルコール度数:13%
フランソワ・クロシェのスタンダード・サンセールは、サンセールを構成する代表的な3つの土壌――カイヨット、粘土石灰質、シレックス――のブドウをブレンドして造られます。2024年は冷涼で湿潤なヴィンテージとなったため、通常は単一畑として仕込まれる区画も多くこのキュヴェに加えられ、ドメーヌ全体の個性をより凝縮したような一本となっています。
カイヨットがもたらす張りと繊細さ、粘土石灰質が与える厚み、シレックスによる鉱物的なニュアンス。それぞれの要素を一つにまとめることで、単純に「爽やかなソーヴィニヨン・ブラン」とは異なる、立体的なサンセールに仕上がっています。
■味わい
香りはレモンやグレープフルーツなどの柑橘に、青リンゴ、カシスの芽、ハーブのニュアンス。
口当たりはみずみずしく、張りのある酸とともに、チョークを思わせる硬質なミネラルが広がります。
果実味は軽やかすぎず、芯のある密度を感じさせながら、フィニッシュにかけて塩味を伴ったミネラルが長く伸びていく。
2024年らしい冷涼感があり、果実の明るさと酸の緊張感がきれいに調和した味わい。
ソーヴィニヨン・ブラン特有の香りの華やかさを前面に出すのではなく、果実・酸・ミネラルの輪郭を精緻に整えた、端正なサンセールです。
■このワインの魅力
このワインの面白さは、ひとつの土壌だけで個性を表現するのではなく、サンセールの異なる土壌が持つ特徴を一つのワインの中に重ねていること。
カイヨットは酸と緊張感、粘土石灰質は果実の厚み、シレックスは鉱物的なニュアンスへとつながり、それぞれが補い合います。
さらに2024年は、冷涼で湿潤な気候の影響から、通常なら単一畑として瓶詰めされるブドウの多くもこのキュヴェに加わりました。
そのため2024年の「サンセール」は、単なる入門キュヴェというより、フランソワ・クロシェが持つ複数のテロワールを横断して味わえる、いわばドメーヌのスタイルそのものを映す一本になっています。
フランソワ・クロシェのワインは、サンセールらしい豊かな果実味を持ちながらも、精度とフィネスを重視したスタイルとして評価されています。2024年についても、柑橘、チョーク、塩味を備えた引き締まった余韻が評価されています。
■ペアリング
鶏むね肉のハーブロースト、豚フィレ肉のレモンバターソース、山羊チーズのタルト、アスパラガスと半熟卵のサラダ、ズッキーニのフリット、グリーンピースと生ハムのリゾット、白身魚のムニエル、鮎の塩焼き、帆立と春野菜のソテー、シェーヴルチーズ
■生産者について
フランソワ・クロシェは、サンセール南西部のビュエを拠点とする生産者。
約10haの畑を手掛け、ソーヴィニヨン・ブランだけでなくピノ・ノワールにも取り組んでいます。特にビュエ周辺のカイヨットをはじめ、粘土石灰質やシレックスなど、サンセールの多様なテロワールを細かく見極め、それぞれの個性をワインに反映させています。
畑ではオーガニックおよびビオディナミの取り組みを行い、自然な草生栽培も取り入れています。2024年のサンセールは、こうした複数の区画から収穫されたソーヴィニヨン・ブランを束ねることで、ドメーヌ全体のスタイルを表現しています。
そのスタイルは、香りの派手さや単純な爽快感ではなく、成熟した果実、きれいな酸、ミネラル、塩味が一つの線上に揃う精度の高さにあります。
