マルセル・ダイス アルザス コンプランタシオン 2024 / Marcel Deiss Alsace Complantation 2024
13品種がひとつの畑で育つ、テロワール主義のアルザス・ブラン。
■詳細
産地:フランス/アルザス
格付け:A.O.C. Alsace
品種:アルザス伝統の13品種の混植・混醸
タイプ:白・辛口
土壌:主に粘土・石灰質
畑:ベルグハイム、ベンウィール、ベブレンハイム、リボーヴィレの計約5ha
平均樹齢:約30年
収量:45hl/ha
醸造:混植されたブドウをともに収穫・圧搾し、3000Lを主体とするフードルで発酵。12か月間シュール・リー熟成
「コンプランタシオン」とは、ひとつの畑に複数の品種を混植し、ともに育て、ともに収穫し、ともに醸造する伝統的な栽培・醸造方法。
マルセル・ダイスでは、これを単なる古い栽培方法としてではなく、品種よりもテロワールを前面に出すための哲学として実践しています。
このワインでは、リースリング、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ピノ・オークセロワ、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、シルヴァネールなど、アルザスの13品種を混植。異なる品種を個別に仕込むのではなく、同じ畑で育ったブドウを一緒に収穫・圧搾し、ひとつのワインへと仕上げています。
■味わい
香りはレモンや柑橘を思わせる爽やかさに、白い花、パイナップル、黄桃のような熟した果実のニュアンス。
口に含むと、まず果実の豊かさがありながら、酸が全体をきれいに引き締めます。
さらに、果実の厚みの中に塩味を伴うミネラル感があり、軽快さだけでは終わらない奥行きを感じさせます。
マルセル・ダイス自身も、このワインを「辛口、複雑さ、普遍性」というテーマで表現しており、熟した果実のふくらみと、フレッシュな酸、塩味、そしてテロワール由来の深さがひとつにまとまったスタイルです。
■このワインの魅力
最大の魅力は、「リースリングらしい」「ゲヴュルツらしい」という品種の個性だけでは説明できないところ。
13品種を混植することで、それぞれの品種を際立たせるのではなく、畑の中でともに育ったブドウをひとつの存在として捉える。
これはマルセル・ダイスが長年追求してきた「品種よりも場所を表現する」という考え方そのものです。
そのため、香りには複数の品種を思わせる要素がありながら、飲み進めるほどに「何の品種か」よりも、アルザスの土地が生み出す厚み、酸、塩味、質感へと意識が向いていきます。
3000Lを主体とするフードルで発酵し、12か月シュール・リーで熟成することで、果実味だけではない落ち着いた質感と奥行きも備えています。
アルザスの品種を知るためのワインであると同時に、「テロワールとは何か」を体感するためのワインでもあります。
■ペアリング
鶏もも肉のロースト ハーブ風味、豚肩ロースのロティ、仔牛のクリーム煮、栗ときのこのリゾット、南瓜とセージのロースト、根菜のグラタン、白味噌仕立ての鶏料理、玉ねぎとベーコンのキッシュ、タルトフランベ、シュークルート、熟成コンテ、マンステール、牛肉を使った少し濃いめの味付けの肉じゃが、筑前煮、豚の生姜焼き
■生産者について
マルセル・ダイスは、アルザスのベルグハイムを拠点とするドメーヌ。
現在はジャン=ミッシェル・ダイスとマチュー・ダイスが中心となってドメーヌを運営し、約27haの畑を所有しています。ドメーヌではビオディナミを実践し、土壌と生態系を重視した栽培を行っています。
その最大の特徴が、「コンプランタシオン=混植」という考え方。
ジャン=ミッシェル・ダイスは、単一品種を植えることで品種そのものの個性を追求する現代的なアルザスとは異なる方向から、テロワールを表現することを追求してきました。
実際にドメーヌでは、アルザスの伝統的な13品種を混植し、ともに栽培、収穫、圧搾、醸造。品種名やその比率を前面に出すのではなく、「その土地がどのようなワインを生み出すのか」を表現しようとしています。
この「アルザス コンプランタシオン」は、そんなマルセル・ダイスの思想を最も身近に感じることのできる一本です。
